9月9日 午前:仏像の話  講師 京都歴史探索会 富永正治代表

            午後:クラスカフェ(遠足及びふれあい祭りについて)


 今日の授業は本来は2日の予定だったが、講師の突然のコロナ罹患で今日に順延となった。講師は8月28日に催された北海道マラソンに参加されているので原因として思い当たるのはそれしかないと仰っている。症状は比較的軽く4日ほどで恢復したそうだ。ワクチンは4回接種済みで、これはワクチンのお陰かなとのこと。何はともあれ軽く治まってよかった。さて、今日は仏像の話。また新しい知識が頭に入ってくる喜びはあるが、しかし脳内での滞留時間の短いのが問題 (+_+)

 

仏教は紀元前5世紀にインド東北部で生ま

れた釈迦(ゴータマ・シッダルタ)の教えを基にしている。この教えがマガダ地方から二つのルートに分かれ伝播して行った。一つは南回りの南伝ルート。もう一つは北まわりの北伝ルート。後に北伝ルートを大乗仏教、南伝ルートを上座部仏教と呼ぶようになる。日本へは北伝ルートで538年欽明天皇の頃に伝わったというのが定説になっている。

 

 

釈迦入滅後500年間は仏像は作られず、釈迦を象徴するもの例えば 釈迦の遺骨(舎利)であるとか、舎利を祀るストゥーパ(仏塔、卒塔婆)や仏足跡などが信仰の対象として崇められた。

      仏足跡

           ストゥーパから塔への変遷



 

 

 

仏像はいつ頃何処で誕生したのか?

 定説では起源1世紀頃にガンダーラで最初の仏像が作られたとされているが、時を同じくしてマトゥラーでも作られていた。しかし両者の様式は大きく異なる。マトゥーラ像はインド的な容姿を表わしているのに比べガンダーラ像はヘレニズム文化の影響が強く表れ顔の彫が深くギリシャ彫刻的な雰囲気が特徴的だ。

                         左から阿修羅像(国宝) 広隆寺・弥勒菩薩半跏思惟像(国宝) 観音寺・十一面観音立像(国宝)

                                                   下 奈良東大寺・毘盧遮那仏(大仏 国宝)

 

東寺・帝釈天半跏像(国宝)

 講師曰く、日本一のイケメン仏だそうだ。一面三目二臂で白象に乗り半跏踏みの姿勢


仏像の素材

我が国で作られた最古の仏像は飛鳥寺の飛鳥大仏だと言われている。これは銅製の仏像だが、種々仏像の素材としては次のようなものが使われている。

漆:脱活乾漆と木心乾漆がある 粘土(塑像)金属:圧倒的に銅合金が多い 木材:一木造りと寄木造りがある ⑤石:(日本では多くない)。最も多いのは木材で全体の90%を占める。木材の場合一木造りでは素材の木より大きな仏像は造れないが、寄木造りの発明によりそれが可能になった。

                                       仏像の素材

大仏のこと

 仏像制作でいまだに感心するのは奈良の大仏。重機のないあの時代にあんなに巨大な金銅仏がよく作れたものだと思う。製造法は”削り中子鋳造法”というそうだ。NHK for School に動画がアップされているので参照されたい。(下にQRコード)

 この大仏には聖武天皇の特別な思いが込められている。干ばつや地震さらに疫病の蔓延など不安な世の中を仏教の力を借りて国を安定させたいという聖武天皇の願いは10年の歳月と、のべ260万人の労力をつぎ込み天平勝宝4年に結実、華やかに大仏開眼会が行われた。ふと考えるに、今世界はコロナという疫病に襲われ、また世界中が気候変動による天変地異に見舞われている。多くの人々が塗炭の苦しみに喘いでいる。何だか聖武天皇の時代と似ていないか?

                                    大仏の作り方 

【クラスカフェ】

      議論百出かな                 こっちはリラックスモード          落ち着いたディスカッション

        こっちも                   真剣な議論                    奥では班長会議